9/30のページ 公用分例略記研究会
 『触の三』2校  25ページから36ページ
 今回は、『触の三』2次校正の第3回目です。

  <ご指摘により修正する事項>
(1)25ページ、後ろから2行目…「玄十二月…」の「玄」を「亥」に修正。
*解読の誤りです。
(2)29ページ、3行目…「受搗候…」の「受」を「交」に修正。
*解読の誤りです。(下図参照)「交」は「まじる・まぜる」という意味になります。「交搗候品も一様ニ無之」は「まぜつき候品は一様にこれなく」→「まぜてついてできた品物には同じような品はなく」となります。
「はやつきができる薬」と称して、様々な得体の知れない物が売られていたということを表現していると思います。現代も同じですね。エビデンスの明確でない効能をうたって、様々なサプリや「特定機能食品」「化粧品」が販売されています。いつの世もだますことを考える人と、だまされる人がいるのですね。

(3)30ページ、9行目…「…恵作」の「恵」を「燾」に修正。
*解読の誤りです。前回検討した内容です。
(4)30ページ、11行目…「刻脇付…」の「脇」を「限」に修正。
*解読の誤りです。(下図参照)ほとんどは「刻付(こくづけ)」と記載されています。ここでは、「刻限付(こくげんづけ)」と記載されています。意味は同じです。「書状・文書の回覧のさい発信・到着及び取り扱い時刻などを書き記しておくこと。」です。

(5)32ページ、6行目…「江太郎左衛門」の「江」と「太」の間に「□」を挿入し、右側に小さなフォントで「(脱カ)」を挿入。
*片苗字の記入であることを明確にするために、これまでの記載では、略した文字を空白にしてありました。それにならって、一文字空けることにします。空けたことを明確にするために、□を挿入します。
(6)36ページ、後ろから2行目…「提灯」の「提」を「挑」に修正。
*解読の誤りです。(下図参照)なお、江戸時代は「ちょうちん」の記載方法は、次のように多数ありました。「挑燈(灯)・提燈(灯)・烑燈(灯)・灯燈(灯)」現在の辞書では「提灯・挑灯」の2種類が記載されています。(『精選版日本国語辞典』小学館)従って、「挑灯」の記載は誤りということではないので、他の説明は付けずに、そのままにします。

<修正が不必要と判断した事項>
*今週は特にありません。

<質問>
(1)29ページ、 後ろから4行目… 「厭ひ」の「厭」のくずしに、部首の「ガンダレ」が記載されていないのではないか。
*確かに、くずしの形を見る限り「がんだれ」部分は記載されていません。(下図参照)文章の意味上から解読するしかありません。意味上からは「厭」と解読するのが適切と考えます。

(2)32ページ、6行目…「江太郎左衛門」の「江」の後は一文字分空けていませんでしたか。
*修正事項(5)を参照下さい。