■
9/16のページ 公用分例略記研究会
『触の三』2校 13ページから24ページ
今回は、『触の三』2次校正の第2回目です。
<ご指摘により修正する事項>
(1)14ページ、3行目…「嘉永二年」の「二」を「三」に修正。
*解読の誤りです。戌年は、嘉永三年になります。
(2)17ページ、後ろから5行目…「戌十二月」の行を、一文字分下げる。
*可能な限り、原文書の配置に近づけます。
(3)18ページ、2行目・19ページ、後ろから1行目・21ページ、6行目…「安原恵作」の「恵」を「燾」に修正。
*解読の誤りです。詳細は<質問>の項を参照下さい。
(4)20ページ、後ろから7行目…「…摺物躰…」の「躰」を「鉢」に修正し、右側に小さなフォントで「(躰)」を挿入。
*くずしからは、「鉢」と解読するのが適切です。(下図参照)しかし「摺物鉢」という言葉は見つかりません。意味から考えると「躰」と解読するのが適切です。「摺物躰→摺物のような」という意味になり、全体の文章も理解できます。もう一つは「摺物・鉢」と「摺物と鉢」と解釈する考え方です。前後の文章は次の様になります。「於在中ニ書画会花会抔与唱摺物鉢之品江猪口或ハ風呂敷手拭抔相添」→「在中において、書画会・花会とうと唱え、摺物・鉢の品へ、猪口(ちょこ)あるいは風呂敷・手ぬぐいとうあい添え」→「村々において、書画会や花会などと名づけて、摺物や鉢の品へ、猪口(ちょこ)あるいは風呂敷・手ぬぐいとうを添えて」となります。ただ私は「摺物や鉢の品へ」添えるというのは、違和感があります。何か怪しげな摺物(印刷物)に、おまけをつけて、人をだますというのが自然な気がします。従って、ここでは、「鉢」は「躰」の誤記載と判断して、凡例に基づいた記載をします。
【摺物】(すりもの)①版ですったもの。印刷物。②江戸時代、暦・俳句・狂歌などを木版摺にしたもの。の。文化・文政(1804~1830)頃には、色紙型の狂歌摺物が浮世絵師によって多く制作された。摺物絵

(5)20ページ、後ろから6行目…「…熟意…」の「熟」の右側に小さなフォントで「(懇)」を挿入。
*くずしからは、「熟」と解読するのが適切です。(下図参照)しかし「熟意」という言葉は見つかりません。意味からは「懇意…交際の親しいこと。仲のよいこと。」の「懇」と解読するのが適切と考えます。従って、「熟」は「懇」の誤記載と判断し、右側に小さなフォントで「(懇)」を挿入します。

(6)22ページ、2行目…「…洩様否(ママ各)…」の「(各)」を「否」の右側に小さなフォントで挿入。
*該当部分のくずしは「否」と解読するのが適切です。(下図参照)ただ「否」では文章の意味が通じません。「各村名」なら、意味が通じます。「否」と「各」はくずしが似ています。誤記載と推測できます。従って、意味は理解できますので、「ママ」は省き、凡例の誤字の場合に基づいた処置を行います。

(7)23ページ、後ろから4行目と2行目…「〃」を「同」に修正。
*以前の考えに基づいた修正です。「校正の記録12『訴の九』2次校正分19ページ」で、以下の記載をしました。その部分を再掲します。
「校正の記録12『訴の九』2次校正分19ページ」<ご質問に答えて>
「同」と「〃」の違いについて→今後はすべて「同」と解読します。
(1)97・104・105・107ページの「〃」と「同」の違いが不明。
*私も悩んできました。改めて調べて見ました。確かにページによって、解読にぶれがあります。同じくずしの形なのに、「同」と解読したり「〃」と解読しています。今までは、下図の形を基準とし、「同」「〃」の区別をしました。。ただ同ページでも、くずしの形には差違があります。また、くずしの用例からは、すべてのくずしの形を「同」と解読可能です。『田無市史第一巻中世・近世史料編』の解読基準を調べましたが、すべて「同」と解読しています。したがって、今後は、すべて「同」と解読したいと考えます。『訴の九』から修正します。『訴の一』から『訴の八』までは、今後印刷する分については修正します。既に印刷した分については修正不可能ですので、ご了解下さい。

<修正が不必要と判断した事項>
(1)14ページ、5行目・15ページ、3行目・15ページ、後ろから3行目…「善太左衛門」のうち、「太」と「左」の間に「郎」を挿入。
*原文書には、「郎」が記載されていません。「善太郎左衛門」ではありません。「善太左衛門」という一人の人です。「林部善太左衛門」は、幕末の幕府代官の一人でした。
(2)22ページ、2行目…「否(ママ各)」を「否」の右側に「(各ヵ)」を小さなフォントで記載。
*脱字でなく、誤字ですので、修正事項の(6)のように修正します。
<質問>
(1)18ページ、2行目・19ページ、後ろから1行目・21ページ、6行目…「安原恵作」の「恵」のくずしが用例辞典で見つからない。
*改めて、私も用例辞典を調べてみました。確かに「恵」のくずしではないようです。(下図参照)

インターネットで調べたら、次のような指摘を見つけました。(下図参照)これによると、二つの可能性があります。「壽の下に心」と「壽の下によつてん(れんが・れっか)」です。用例辞典を見ると「燾」という漢字がありました。原文書と比較すると、どうやら「燾」が正しいようです。「燾作(とうさく・ちゅうさく)」が正しいようです。

