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「斗」と「計」くずし字の判断基準について
「斗」と「計」くずし字の判断基準について
「斗」と「計」のくずし字の違いの判断基準について、ご質問がありました。
以前、私も「当て字」のことで、悩んでいる旨を書きました。例として、「取斗(計)」を挙げました。
「斗」と「計」は、同じくずしに見える形もあります。私は、今までは次のように判断してきました。
・「計」と判断した例…「…主計頭…」主計頭(「かずのえのかみ」と読むそうです。)(『訴の二』p30,p38)
というように、官職名を表す時は「計」を使用し、他は「斗(計)」と記載してきました。
ご質問の方から、「『古文書くずし字200選』(柏書房)に、次のような記載があるが、どのように考えたらよいか」との、ご指摘がありました。
(計)の説明として、くずしは(斗)と同じになるが、前後関係から(計)か(斗)かを判断する。(p171)
私の手持ちの辞典を改めて調べました。
『古文書解読辞典』(柏書房)の「斗」と「計」の比較でも、前後関係から判断して解読しています。(下図1参照)

『古文書大字叢』(柏書房)の「取計(とりはからい)」「難計(はかりがたく)」「計(ばかり)」の項目を参照しても、「計」と解読しています。(下図2参照)

ネットで調べると、次のような指摘がありました。
…本来「斗」と「計」は別の文字だが、くずすとよく似ているため混用されたと考える人もいる。
…「計」の言偏部分を極端にくずすと、「斗」の点ふたつと区別がつきにくくなる。「一石弐斗」などの場合はそのまま「斗」と、「見斗」などのときは「計」と区別して翻刻する場合もある。…
調べた結果、翻刻方法としては、どちらが正しいということはないようです。今後も「とりはからい・とりはからう」等は多数出てきます。その度に「取斗(計)」と修正するよりは、上記のご指摘内容のように、「前後関係から(斗)か(計)か判断」して、解読するのが、手間等を考えると、適切と考えます。また、辞典等の参照結果からも、一般的な考え方だと思います。
そこで、『訴の二』3次校正をお願いしているところですが、「取斗(計)」(「取斗」と訂正洩れの部分もあり)は、「取計」に全面的に修正します。他の単語でも「計」と判断した方が良い場合は、訂正をお願いします。
今後も、同様に前後の意味を考えて、「斗」「計」は判断したいと考えています。なお、「一石弐斗」など量の単位や「斗」が使用される単語は、そのまま「斗」を使用します。