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『麻疹戯言』 校正2回目 

「8ページ  12行目」から「9ページ 13行目まで」

*ホームページでは、縦書き文章は作成できません。横書きで表現できない記号があります。くりかえし記号の一つは、「〳〵」のようになります。
 また、漢字は原文書に近い形で翻刻しました。読みやすいように、「片仮名は平仮名に変換する」「句読点を明確にする」「歌の部分は「」で囲む」ことにしました。皆さんなりの基準で翻刻してください。

<解読文 修正箇所>
(1)8ページ、後ろから2行目…「発」を「發」に修正。
(2)8ページ、後ろから2行目…「熱」は異体字のようだが、該当文字がパソコンのソフト上で見つからないので「熱」のまま。
(3)8ページ、後ろから1行目…ふりがな「ずつう」を「づつう」に修正
(4)9ページ、1行目…ふりがな「おふはちまき」を「おほはちまき」に修正
(5)9ページ、1行目…「さまなり、」の読点を句点「。」に修正
(6)9ページ、2行目…「麻」を「痧」に修正。
(7)9ページ、7行目…「いふべけれ、」の読点を句点「。」に修正
(8)9ページ、9行目…「頓也、」の読点を句点「。」に修正
(9)9ページ、後ろから4行目…「施す、」の読点を句点「。」に修正
(10)9ページ、後ろから3行目…「広」を「廣」に修正。
(11)9ページ、後ろから2行目…「写」を「寫」に修正
*修正箇所を画像にしました。小さい文字は読みにくいかも知れませんが、お許しください。

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<文意を考えるにあたって>
 私は最終的に、今回の範囲の文意を以下のようにしました。原文書の言葉の順番を入れ替えて、文意を考えたところもあります。配付印刷物とは違った文意の捉え方をしているところがあります。
 「三戯場」「うなぎや」「かみゆい」に関する部分の文意については、自信がありません。なお、配付印刷物の脚注に記載のない次の言葉の意味を、次に載せておきます。「はちまき」に「うなぎ」という意味があったとは知りませんでした。「小戸(げこ)」「大戸(ぜうご)」も、「酒」に関する意味ばかりではありませんでした。
【ば】…逆説の確定条件「~のに」
【鉢巻】(ハチマキ)④ 鰻(うなぎ)をいう、僧侶の語。『精選版 日本国語大辞典
【小戸】(ショウコ・こど)①小さな家、貧しい家②酒をあまり飲めない人。下戸(げこ)
【大戸】(たいこ)①律令制の四等戸の第1で、1戸内に8人以上の成年男子のいる戸。 →上戸(じょうこ)→中戸 →下戸(げこ)。②かねもち。富んだ家。大家。豪家。③酒量の多いこと。おおざけのみ。上戸(じょうご)。

 江戸時代の疫病時の禁忌や禁物について調べる必要があると考えていたところ、吉田先生から教材としてお送りいただいた中に、「為麻疹」という番付がありました。解読して図にしました。江戸時代後期の番付だと思いますが、当時流布していた禁忌や禁物がよく分かります。魚類は禁物のようです。「うなぎや」が中心に大きく書かれています。「かみゆいどこ」「ゆや」も入っています。

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 『麻疹戯言』では、「かみゆいどこ」については、「かみゆいは思いの外に廻る事頓(すみやか)なり」とあり、「髪結い屋は、意外にも仕事が増えて忙しい」と読み取りました。番付では、髪結床に行くことは、禁忌になっています。なぜ「忙しい」のか理解できません。「廻る」「頓」の意味を改めて調べ、文意を再検討しましたが、他の文意が考えつきません。どなたか適切な文意が考えつきましたら、ご教示ください。

 

 「煤鱔人(うなぎや)の炙魚的(やきて)と倶(とも)に大抹額(おおはちまき)のあはれなるさまなり」を、「売れずに困っているうなぎ屋の大鉢巻きをしている焼き手が気の毒な様子と同様である」と読み取りました。「…と倶(とも)に…」の意味は、「同様に。一緒に。」という意味です。「とともに」という接続語を素直に考えると、「(売れずに困っている)焼き手と同じく(自分の役割を果たせずに困っている)大うなぎの気の毒な様子と同様である」という文意が正しいのかなとも考えます。「(自分の役割を果たせずに困っている)大うなぎ」とはおかしな表現です。ただ、「うなぎは焼かれて蒲焼きになり、売られてこそ、うなぎの本望だ」ということも、物語の世界では成り立つのではないかなとも考えたりします。この点についてもご教示願えれば幸いです。

 

 今回の範囲でも、「やぐら幕も、発熱の汗とともに、いたづらにしぼり上れば…」の「しぼり」を「汗」と「やぐら幕」にかけています。「大はちまき」も「はちまき」と「うなぎ」にかけています。ユーモアと言葉遊びを楽しんでいるのでしょうか。

 いろいろと悩みは尽きませんが、一応私なりの文意を、以下のようにしました。

 

<文意>
 このような中で、三座の芝居小屋では、関係者が発熱による汗を出しながら、何とか興行しようと、やぐら幕をやたらに高くあげている。しかし客は来ないので、興行主は頭を痛めている。それは、売れずに困っているうなぎ屋の大鉢巻きをしている焼き手が気の毒な様子と同様である。
 煮売り屋や蕎麦屋も、「麻疹につき商売を休みます」との張り紙を出している。呉服屋からも「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ」の声が絶えている。
 そのような中で、どうしてなのか、また小間物屋を行商する者が多くなっている。その数の多いこと、貧富を問わず増えている。小間物屋の数を数えると、実際掃いて捨てるほどいると言えるだろう。
 風呂屋の番頭は暇になり、いつも以上に居眠りが増えている。風呂屋出入りの髪結い屋は、意外にも仕事が増えて忙しい。
 祈祷をする僧侶が、おまじないのお守りを出せば、稲荷神社の神主も、負けまいと護符を施している。あるいは、薬の処方を書いて広めるものがいれば、禁忌を書いて与えるものもいる。